はじめに

こんにちは。松原市・河内天美駅の医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニックです。

元気いっぱいに遊ぶお子様を見ていると微笑ましい反面、転んだりお友達とぶつかったりしてヒヤリとすることも多いですよね

特に、顔から転んで「口から血が出た!」「歯をぶつけて泣いている!」という場面に直面すると、多くの親御さんはパニックになってしまうものです。口周りは少しの傷でも出血量が多いため、余計に驚いてしまうかもしれません。

しかし、歯のケガは「最初の対応」と「時間」がその後の歯の寿命を大きく左右します。正しい知識を持っていれば、いざという時にお子様の歯を救うことができます。

今回は、お子様が歯をぶつけてしまった時に親御さんが取るべき行動と、症状別の正しい応急処置について詳しく解説します。


まずは落ち着いて!ケガをした時の「初期チェックポイント」

お子様が泣いて口から血を流していると動揺してしまいますが、まずは深呼吸をして、親御さんが落ち着くことが第一です。お子様を安心させながら、以下のポイントを順番に確認してください。

1. 全身状態の確認
頭を強く打っていないか、意識ははっきりしているか、吐き気や痙攣はないかを確認してください。もしこれらの症状がある場合は、歯よりも先に脳神経外科や救急車の手配を優先しましょう。

2. 出血箇所の特定
どこから血が出ているのかを優しく確認します。唇が切れているのか、歯茎から血が出ているのか、歯そのものが折れているのかを見極めます。

3. 歯の状態の確認
ぶつけた歯(特に前歯)がどうなっているかを見ます。

  • グラグラしているか?
  • 欠けたり、折れたりしていないか?
  • 歯が完全に抜けてしまっていないか?
  • 隣の歯と比べて、位置がズレたり、奥にめり込んだりしていないか?

態を確認したら、すぐに以下の「症状別の応急処置」を行ってください。


症状別:すぐに行うべき正しい応急処置

歯のケガは時間との勝負です。症状に合わせて適切な処置を行い、なるべく早く歯科医院を受診しましょう。

【症状1:唇や歯茎から血が出ている】
口の中は血管が多く、少し切れただけでも唾液と混ざって大量に出血しているように見えます。まずは清潔なガーゼやハンカチを傷口に当てて、親指と人差し指で「ギュッ」としばらく圧迫してください。通常、数分間圧迫すれば血は止まります。痛がってうがいをしたがるかもしれませんが、激しくうがいをするとかさぶたが剥がれて血が止まらなくなるため、軽くゆすぐ程度に留めましょう。

【症状2:歯がグラグラしている・位置がズレている】
歯を支えている骨や、歯の根っこ(歯根)が折れている可能性があります。この時、絶対に指で触って揺らしたり、元の位置に戻そうとしたりしないでください。お子様にも「舌で触らないようにね」と優しく言い聞かせ、そのままの状態でなるべく早く歯科医院へ向かってください。歯科医院で専用の接着剤を使って、隣の歯と固定する処置を行います。

【症状3:歯が欠けた・折れた】
欠けた歯の破片が見つかれば、接着剤で元の状態にくっつけられる可能性があります。破片を見つけたら、乾燥させないように「牛乳」または「生理食塩水」を入れた小さな容器に入れて持参してください。破片が見つからない場合や粉々になってしまった場合でも、歯科用の白いプラスチック(レジン)で綺麗に修復できるのでご安心ください。

【症状4:歯が丸ごと抜けてしまった】
抜けた歯を元の位置に戻せる確率は、「抜けてから30分〜1時間以内」の処置がカギを握ります。抜けた歯を見つけたら、以下の「NG行動」を絶対に避け、正しい方法で保存して急いで受診してください。


絶対にやってはいけない!抜けた歯のNGな取り扱い方

歯が抜けてしまった時、良かれと思ってやってしまう行動が、実は歯の細胞を殺してしまう原因になります。

× NG行動1:水道水でゴシゴシ洗う
抜けた歯の根元には、「歯根膜(しこんまく)」という歯を骨にくっつけるための非常に重要な生きた細胞の膜がついています。泥がついていたとしても、水道水でゴシゴシ洗うとこの細胞が死滅してしまい、元に戻せなくなってしまいます。洗う場合は、牛乳や生理食塩水でサッと流す程度にしてください。

× NG行動2:歯の根元(根っこ)を持つ
上記と同じ理由で、歯根膜を傷つけないために、歯を拾う時は必ず「歯の頭の部分(白い噛み合わせの部分)」をつまんで持ってください。

× NG行動3:ティッシュに包む・乾燥させる
歯根膜は乾燥に非常に弱く、30分以上乾燥させると死滅してしまいます。ティッシュでくるんでポケットに入れるのは絶対にやめましょう。


抜けた歯・折れた歯の「正しい保存方法」

歯の生きた細胞を守るためには、「浸透圧」が人間の体液に近い液体に浸して持参することが重要です。

◎ 最良の保存液:「牛乳(成分無調整)」
どのご家庭にもあり、最も手に入りやすいのが牛乳です。牛乳の浸透圧は体液に近いため、細胞を長生きさせることができます。小さなタッパーや紙コップに冷たい牛乳を入れ、その中に歯を沈めてください

◎ 学校や保育園で起きた場合:「歯の保存液(ティースキーパー)」
学校の保健室には専用の保存液が常備されていることが多いです。先生に伝えてすぐに入れさせてもらいましょう。

◎ 何もない場合:「お口の中に入れておく」
牛乳も何もない緊急時は、お子様のお口の中(ほっぺたの内側や舌の下)に入れておくか、小さな容器にお子様の唾液を出してそこに入れるのが次善の策です。ただし、小さなお子様の場合は誤って飲み込んでしまう危険があるため注意が必要です


「乳歯だから抜けても大丈夫」は大きな間違い!

「どうせ生え変わる子供の歯だから、折れたり抜けても放置して大丈夫」と考えるのは大変危険です。乳歯のすぐ下には、次に生えてくる大人の歯の「卵」がスタンバイしています。

歯を強くぶつけた衝撃で、下にある永久歯の卵が傷ついたり、細菌が感染したりすると、次のような悪影響が出ることがあります。

  • 永久歯の表面が茶色く変色して生えてくる(ターナー歯)
  • 永久歯の形がいびつになる
  • 永久歯が正しい位置から生えてこなくなる
  • ぶつけた乳歯の神経が後から死んでしまい、歯が黒ずんでくる

歯のケガは、未来の永久歯に直結します。「少し血が出ただけ」「グラグラもしていない」ように見えても、目に見えない根っこの部分が折れていることもあります。ぶつけた後は自己判断せず、必ず歯科医院でレントゲン検査を受けましょう。


当院の小児外傷への対応について

当院では、お子様の急な歯のケガに対しても、できる限り迅速に対応できる体制を整えております。

突然のケガで痛みと恐怖で泣いているお子様に対し、無理やり押さえつけて治療をすることはいたしません。まずは優しく声かけを行い、親御さんにも状況をしっかりご説明して安心いただいた上で、お子様の負担が最小限になるようスピーディーに処置を行います。

た、ケガをした直後は問題がなくても、数ヶ月後に神経が死んで変色してくるケースもあるため、ケガをした後は定期的な経過観察を行い、永久歯が無事に生えてくるまでしっかりとサポートさせていただきます


結論:いざという時の知識と、早めの受診が歯を救う

子供のケガはどれだけ気をつけていても防ぎきれないことがあります。だからこそ、万が一の時に「どう動くか」を親御さんが知っておくことが大切です。

  • まずは落ち着いて全身状態を確認する
  • 歯が抜けたり折れたりしたら「牛乳」に入れて、30分以内に歯医者へ!
  • 乳歯だからと放置せず、必ず専門家のチェックを受ける

こちらはぜひ覚えておいてください。

「転んで口を打ったけれど、様子を見ていいのか分からない」「少しグラグラしている気がする」と迷った時も、遠慮なく当院へご連絡ください。

医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニックは、大切なお子様の歯と未来の笑顔を守るため、全力でサポートいたします。

なケガや、お口に関するご相談などお気軽にお問い合わせください。

医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニック

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