はじめに

こんにちは。松原市・河内天美駅の医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニックです。

1歳〜3歳くらいのお子様が自分で歯みがきをするようになると、親御さんとしては成長を感じて嬉しい反面、ヒヤリとする場面も増えてきますよね。

中でも非常に多く、そして最も危険な事故の一つが「歯ブラシをくわえたまま転倒し、お口の中を突いてしまう事故」です。「ギャー!」という泣き声とともに、口から血を流している我が子を見ると、気が動転してしまう親御さんがほとんどだと思います。

お口の中(特に喉の奥)のケガは、見た目以上に深く傷ついていることがあり、時には命に関わるような重大なトラブルに発展するケースも存在します。

回は、万が一お子様が歯ブラシでお口の中を突いてしまった時に確認すべき「チェックポイント」と、病院を受診する「危険なサイン(目安)」について詳しく解説します


なぜ「歯ブラシ事故」はそこまで危険なのか?

「口の中を切っただけなら、すぐに治るのでは?」と思われるかもしれません。確かに、唇やほっぺたの内側を少し切った程度であれば、お口の中の粘膜は治りが早いため大事には至らないことが多いです。

しかし、歯ブラシ事故で一番恐ろしいのは「喉の奥(軟口蓋:なんこうがい)」を突いてしまうことです。喉の奥の組織はとても柔らかく、転んだ時の体重と勢いが歯ブラシの細い先端に集中すると、簡単に深く突き刺さってしまいます。その奥には脳へつながる太い血管や神経が通っており、最悪の場合、血管を傷つけて大出血を起こしたり、脳に細菌が感染したりする危険性があるのです。

そのため、歯ブラシ事故が起きた際は「どこを突いたか」を冷静に確認することが非常に重要になります。


事故が起きたら!親御さんが確認すべき3つのチェックポイント

お子様が転んで泣いている時は、まず親御さんが深呼吸をして落ち着きましょう。そして、以下の3つのポイントを急いで確認してください。

【チェック1:歯ブラシは折れていないか?】
まずは、原因となった歯ブラシを確認してください。先端が折れたり、ブラシの毛がごっそり抜けたりしていませんか?もし歯ブラシの一部が欠損している場合、お口の傷の中や喉の奥に破片が残っている可能性があり、大変危険です。

【チェック2:どこから血が出ているか?】
お口の中をライトで明るく照らし、どこを突いたのかを確認します。

  • 唇、歯茎、ほっぺたの内側、舌など(お口の手前側)
  • 上あごの奥、喉ちんこの周辺など(喉の奥側)

喉の奥を突いている場合は、外から見えなくても奥深く組織が傷ついている可能性があります。

【チェック3:お子様の全身状態に異変はないか?】
血が出ているかだけでなく、お子様の様子をよく観察してください。

  • 意識ははっきりしているか
  • 目線はおかしくないか
  • 手足の麻痺や、ぐったりしている様子はないか
  • 嘔吐(吐き気)はないか

【要注意】すぐに救急車・または大きな病院を受診すべきサイン

以下の症状が1つでも当てはまる場合は、重大な損傷(血管や脳への影響)が疑われます。迷わず救急車を呼ぶか、救急外来(小児科・耳鼻咽喉科・口腔外科など)を受診してください。

  • × 歯ブラシが折れていて、破片が見当たらない
  • × 喉の奥(軟口蓋)に傷がある、または喉の奥から出血している
  • × 10分以上ガーゼで圧迫しても、血がドクドクと出続ける
  • × 傷口が大きく、パックリと開いている
  • × 嘔吐した、発熱してきた
  • × ぐったりしている、視点が合わない、手足に力が入らない
  • × 首を動かすと痛がる、首が腫れてきた

「喉の奥」を突いた可能性がある場合は、傷が小さく見えても自己判断で様子を見ず、必ず専門医の診察を受けてください。


手前の傷で症状が軽い場合(歯科医院を受診する目安)

喉の奥ではなく、「歯茎」「上唇の裏側(上唇小帯)」「ほっぺたの内側」などを軽く突いた・擦りむいた程度で、血も数分で止まり、お子様もケロッとして遊んでいるようであれば、緊急性は低いです。

ただし、お口の中にはたくさんの細菌がいるため、傷口からバイ菌が入って化膿するのを防ぐ必要があります。また、気づかないうちに歯をぶつけて歯の根元がグラグラしていることもあります。

応急処置としてガーゼなどで軽く圧迫止血をした後、歯科医院を受診し、傷口の消毒や歯の状態のチェックを受けましょう。必要に応じて、化膿止めの抗生物質やうがい薬を処方します。


今日からできる!歯ブラシ事故を防ぐ「3つの絶対ルール」

このような痛ましい事故を防ぐためには、日頃からの予防策が何よりも大切です。ご家庭で以下のルールを徹底しましょう。

  1. 歯みがき中は絶対に「座らせる」 歯ブラシをお口に入れたまま、歩き回ったり走ったりするのは絶対にやめさせましょう。必ず床や椅子に座らせて磨く習慣をつけてください。
  2. 安全対策がされた「子供用歯ブラシ」を使う 万が一転んでも喉の奥まで突き刺さらないように、ブラシの根元に「ストッパー」がついているものや、持ち手がグニャッと曲がって衝撃を吸収する「曲がる歯ブラシ」の使用が強く推奨されます。
  3. 親の目が届くところで磨かせる お子様が自分で磨く「自分みがき」の時間は、必ず親御さんが手の届く距離で見守り、お子様から目を離さないようにしてください。

当院の小児トラブルへの対応

医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニックでは、お口の中のケガなどの急患にも随時対応しております。

「どこを突いたかよく見えない」「血は止まったけど、バイ菌が入らないか心配」といったご不安なケースでも、専用の器具とライトを用いてお口の中の隅々まで丁寧に確認いたします。

もし、当院での診察の結果、喉の奥の深い損傷が疑われるなど、より高度な医療機関での処置が必要と判断した場合は、速やかに適切な専門病院をご紹介できる体制を整えております。


結論:お口のケガは自己判断せず、必ずプロの目でチェックを

歯ブラシをくわえたままの転倒事故は、「これくらい大丈夫だろう」という自己判断が最も危険です。

まずは落ち着いて「歯ブラシの欠損」と「傷の場所」を確認し、少しでも喉の奥を突いた疑いや全身の異変がある場合は、すぐに救急外来を受診してください。手前の軽い傷であれば、血が止まったことを確認してから、お早めに当院へご相談ください。

お子様の安全と健康を守るため、医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニックはご家族を全力でサポートいたします。

急なケガや、お口に関するご相談などお気軽にお問い合わせください。

医療法人櫻陽会 たなか歯科クリニック

医療法人櫻陽会たなか歯科クリニック