◆はじめに

こんにちは。松原市・河内天美駅すぐの「たなか歯科クリニック」です。
「うちの子、口をぽかんと開けていることが多いな」と思ったことはありませんか?

一見するとただの癖のように見える「お口ぽかん」ですが、実は 歯並びの乱れの大きな原因 になることがあります。
今回は「なぜお口ぽかんが歯並びに影響するのか」「その対処法は何か」を詳しくご紹介します。

◆お口ぽかんが歯並びに与える影響

舌の位置と歯列の関係

本来、舌は安静時に上あごに軽く触れ、歯を内側から支える役割を果たしています。
しかし、お口ぽかんでは舌が下に落ちてしまい、歯を押さえる力が弱まります。その結果、歯が外側に広がったり、デコボコした歯並びになりやすくなります。

◆具体的な歯並びの乱れ

  • 出っ歯(上顎前突):口呼吸により上あごが前に成長しやすくなる
  • 受け口(反対咬合):舌の位置の影響で下あごが前に出やすくなる
  • 開咬:奥歯は噛んでいるのに前歯が閉じない
  • 叢生(デコボコの歯並び):舌のサポート不足で歯がきれいに並ばない

このように、お口ぽかんは不正咬合の引き金になることが多いのです。

◆なぜ歯並びに悪影響を与えるのか?

口呼吸による顎の発育不全

口呼吸が続くと舌が常に低い位置にあるため、上あごの発育が妨げられ、顎が狭くなります。結果として歯が並ぶスペースが足りなくなり、歯並びが乱れます。

口周りの筋力低下

唇や頬の筋肉が弱くなると、歯を正しい位置に維持できなくなります。特に唇を閉じる力が弱いと出っ歯になりやすい傾向があります。

姿勢の悪さとの関連

猫背などの不良姿勢も気道を狭くし、口呼吸を助長します。これも間接的に歯並びの乱れにつながります。

◆ご家庭でできる予防・改善法

鼻呼吸を意識させる

「鼻から吸って鼻から吐く」を習慣化することが第一歩です。寝る前に呼吸チェックをしてあげましょう。

舌のトレーニング

  • 舌先を前歯の裏のスポットに置き「んー」と声を出す
  • 舌全体を上あごに押しつけ、数秒間キープする
    こうしたトレーニングで舌の正しい位置を取り戻せます。

口周りの筋肉トレーニング

  • 風船膨らまし
  • ストローで吸う練習
  • よく噛む習慣をつける

これらは楽しく続けられる方法です。

食事内容を見直す

硬めの食材や繊維質の多い食材を取り入れることで顎や筋肉が鍛えられます。

◆歯科医院での対処法

当院では、以下のサポートを行っています。

  • 歯並びのチェック:不正咬合の早期発見
  • 口腔筋機能療法(MFT)の指導:舌・唇・頬の筋肉を鍛えるトレーニング
  • 小児矯正のご提案:必要に応じてプレ矯正や床矯正を併用
  • 耳鼻科との連携:鼻づまりやアレルギーの改善

歯並びの乱れは放置してしまうと矯正が大掛かりになりやすいため、早めのチェックが重要です。

◆保護者が確認してほしいサイン

  • 口を開けてテレビやゲームをしている
  • 睡眠中に口が開いている、いびきをかく
  • 前歯が閉じずに隙間がある
  • 食べ物をよく噛まずに丸のみしている

これらは「お口ぽかん」による歯並びの乱れのサインかもしれません。

◆結論

お口ぽかんは、単に「口が開いている状態」ではなく、歯並びの乱れや顎の発育不全を引き起こす大きな要因となります。
家庭でできる予防法やトレーニングは有効ですが、専門的なチェックと指導が欠かせません。

たなか歯科クリニックでは、お子さまの歯並びを早期に確認し、舌や呼吸の改善、必要に応じた小児矯正を行っています。
「最近お口ぽかんが気になる」「歯並びに影響しないか不安」という方は、ぜひ早めにご相談ください。

医療法人櫻陽会たなか歯科クリニック